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【禁聞】「大気の黙示録」 北京大気良好は年間13日

2014年06月14日

【新唐人2014年6月14日】中国環境保護部が6月4日に発表した環境白書『2013年中国環境状況公報』によると、新しい「環境大気質量基準」に適合したのは、74都市中わずか3都市だそうです。大気品質が最も悪い都市トップ10のうち、河北省が7都市を占めています。

 

6月5日は「世界環境デー」でした。中国環境保護部は4日、昨年の大気品質について、北京、天津、河北省、長江デルタ、珠江デルタの74都市のうち、海口、舟山、ラサの3都市だけが基準に適合していたと発表しました。また、昨年のスモッグ平均日数は35.9日で、2012年よりも18.3日増え、1961年以来最多となりました。

 

今年1月10日、国際環境NGO「グリーンピース」は、2013年の中国74都市のPM2.5の年平均濃度の順位を発表しました。この順位付けによると、長江デルタ地区では大気汚染問題が日増しに深刻化しており、中西部の省でも大気汚染問題が目立ってきています。

 

また、大気品質のモニタリングを実施した74都市のうち、92%の都市のPM2.5の年間平均濃度が国家基準を満たしておらず、32都市は国家基準の2倍以上でした。トップ10に入った都市の年間平均濃度は基準のほぼ3倍で、うち、河北省の都市が7つを占めています。特に、1位2位の邢台市と石家庄市は国家基準の4倍以上でした。

 

アメリカの調査によると、昨年北京では、大気品質が良好だった日は、わずか13日でした。

 

グリーンピース東アジアの気候変動とエネルギー担当者、方立峰さんは、中国では数百万人が一年のうち3分の1を深刻な大気汚染の中で暮らしており、さらには一年中汚染に晒されている地区もあると話しています。

 

アメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」6月4日の報道によると、4月の政府研究結果では、農地の10分の1が汚染され、地下水の5分の3が汚染されていることがわかりました。

 

中国環境保護部は4日の「中国環境状況報告」発表の席で、大気汚染や水汚染、土壌汚染の3大汚染と戦う姿勢を見せました。

 

北京の水質環境保護活動家 張峻峰さん

「大気や水、固体の汚染の原因が何かわかっていません。よく分からない状況下で、この様な目標を掲げるのは『群盲象を評す』ようなことなのです」

 

中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利さん

「水、土、大気の問題は中国自身の事なので、当然中国がすべきことです。しかし民衆の参与が無ければ、政府だけでは非常に難しいでしょう。しかし3;46もし制限や反対意見がなければ、或いは科学技術や理論上の討論などがなければ、誤差が生じるか、逆効果になるでしょう」

 

鞏勝利(きょう しょうり)さんは、三峡ダムプロジェクト、文化大革命、大躍進などから見られるように、共産党上層部の決定は、皆の憤激を買い、人類の災難になったと述べます。今回は汚染に対して宣戦布告したが、科学的根拠が必要であると強調します。

 

また、「フォ-リンポリシー」誌によると、北京と中国東北部の米商工会議所中国支部が行ったアンケート調査では、48%の回答者が、汚染問題が上級管理職の招聘や駐在を難しくしていると答えているそうです。

 

昨年10月、黒竜江省、吉林省、遼寧省など、東北部の大部分の地区が深刻なスモッグに覆われました。黒竜江省ハルビン市では空港が閉鎖され、2千校以上の学校が休校となり、高速道路も多くが通行止めとなりました。

 

イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は「大気の黙示録」(Airpocalypse エアーポカリプス)という造語で北京のスモッグを表しました。悪化の一途をたどる汚染問題が原因で一部外国籍管理職が帰国を早めたため、外国企業の投資コストが増加していると報じました。

 

「グリーンピース」の調査報告では、中国政府が公表したPM2.5のデータに基づくと、大気汚染によって肺ガンや心不全の発症率が上昇しています。

 

北京の水質環境保護活動家 張峻峰さん

「我々が今目にしている全ての社会問題、新疆問題も含めて、社会への報復行為なども、全て経済発展モデルと密接に関連しています。この点を認識できれば、或いはこの角度から今の社会問題を理解すれば、汚染問題は緩和される可能性があります」

 

世界保健機関WHOの駐中国代表は今年2月、中国都市の大気汚染問題は「危機」とし扱うべきだと示しました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/06/06/atext1114512.html(中国語)             

(翻訳/赤平 ナレーター/萩野 映像編集/李)

 

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